この制度が申請主義で始動するため、制度に無知であるとか、面倒であるとかということもあるかもしれません。
しかし、権利としての生活保護費の支給をあえて拒もうとする「堅気の自前主義」が、この落差を創り出している要因であることは間違いないでしょう。
皮肉な見方をすれば、この「堅気の自前主義」が本当は支出しなければならない生活保護費の支出額をその分だけ少なくしている原因となっており、財政支出の抑制に役立っているともいえるでしょう。
・・・そして、おそらく、今日、日本型福祉社会の建設の論議でいわれる、「自立・自助論」も、国や自治体の政策当局が意図しているかどうかは定かではないですが、この生活態度と符合していることは明らかです。
さて、話しをボランティア活動にもどせば、日本社会で実際に活動するボランティアがなかなか増えないのは、なぜでしょうか。
自発・自前・無償を原則とする活動を自分の生活様式のなかに組みこみうる人が相対的に少ないということに主な原因があります。
しかし実は、この無料のサービス活動を受け容れることに対する人びとのちゅうちょにも、その一因があるのではないかと考えられます。
・・・つまり、サービスを受ける側が無料でサービスをしてもらっては悪い、心苦しいと考えていると同時に、いくらかでも代価を払うことによって非対称な関係を対称化したい、無料のサービスを受けることにともなう心理的負担から解放されたいという意識をもっているのではないか・・・。
これをどう考えるかです。